●低Na血症
頻出の電解質異常. 高齢者に起こりやすい. 水排泄障害により生じることが多く, 浸透圧の低下を伴う(低張性低Na血症)
◎機序
【Naの摂取 < Naの排泄】
⑴ Na喪失
体液(水・Na)の喪失(= 尿, 汗, 下痢)と, 低張液(水・Na↓)の摂取
⑵ 水過剰摂取
腎臓の水排泄能力(正常20L/日)を超えて飲水した場合
⑶ 水排泄障害
ADH(抗利尿ホルモン)の亢進により, 水の再吸収量が増加, 高張尿(水↓・Na)が排泄されて生じる
⑷ Kの量に影響を受ける
◎症状
細胞外液の浸透圧低下
= 細胞内に水が流入する
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【細胞内浮腫】
・脳浮腫:頭蓋内圧亢進, 脳ヘルニア
→ 傾眠, 昏睡, 認知機能低下, 頭痛, 嘔吐, 悪心, 脱力, けいれん
(これらを水中毒ともいう)
◎低Na血症の種類
① 細胞外液量低下
= 水も減っている状態
=脱水の所見
・尿中Na低下
1)腎臓以外からのNa喪失
嘔吐, 下痢, 発汗
2)Naの摂取量低下
低栄養
・尿中Na増加
1)腎臓からNa喪失
利尿薬
副腎不全(=アルドステロン欠乏:Na再吸収低下)
②細胞外液量正常
= Naのみ低下した状態
・甲状腺機能低下症
・内分泌異常(Na再吸収不全)
1)コルチゾル欠乏症
2)副腎不全
3)下垂体機能低下
・水摂取過剰(水のみの摂取 = Na不足)
1)マラソン中の多飲
2)心因性の多飲
③細胞外液量増加
= 水が多い状態
・尿中Na低下
血漿量減少による水排泄障害
1) 心不全
2) 肝不全
3) ネフローゼ症候群
・尿中Na増加
GFR低下による水排泄障害
1) 腎不全
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