◎外呼吸と内呼吸
呼吸は外呼吸と内呼吸に分けられる.
◯外呼吸
→ 肺胞 - 毛細血管でのガス交換
・呼吸運動による換気
・肺胞におけるガス交換
◯内呼吸
→ 細胞 - 毛細血管でのガス交換
組織におけるガス交換
組織・細胞における有酸素代謝
<ポイント・覚え方>
空気の道筋を考える.
●外呼吸
空気は, 口腔または鼻腔から気道を通過して肺胞にたどり着く.
解剖学的には, 口腔あるいは鼻腔から肺胞までの気道は, 外の空気と触れ合う”体外”という扱いとなる.
肺胞と肺胞毛細血管とでガス交換が行われることで, 初めて空気(重要な酸素)が"体内"に入る.
外呼吸とは, 体外と体内でガス交換が行われることである.
●内呼吸
肺胞毛細血管でガス交換が行われると, 酸素はヘモグロビンによって運ばれる.
今度は, 酸素が必要な体内の細胞・組織とガス交換が行われる.
つまり, 内呼吸とは, 体内で体内の細胞・組織とガス交換が行われることである.
◎呼吸の調節
呼吸の調節は, 以下の3つによって行われている.
(1)神経調節 (2)化学調節 (3)随意調節
(1)神経調節
◎中枢
・呼吸中枢: 延髄網様体
→ 吸息中枢と呼息中枢に分かれる
・呼吸調節中枢:橋(上部)
→ 規則正しい呼吸リズムを形成
◎ヘーリング・ブロイエル(ヘーリングブロイヤー)反射
1. 吸息によって気道(気管, 気管支)の平滑筋の伸展
↓
2. 肺伸展受容器の興奮
↓
3. 迷走神経による求心
↓
4. 延髄の呼吸中枢
↓
5. 吸息ニューロン群の活動を抑制
↓
6. 吸息相から呼息相への切り替え
「肺伸展受容器が刺激 = 肺が膨らんでいる」 と考えると, 次に促進されるのは呼息相だと予想がつくはずである.
(2)化学調節
中枢性と末梢性に分かれる
◎中枢性化学調節
場所:延髄腹側表層
・血中CO2分圧の上昇
・Hイオン濃度の上昇
→ pHの低下に敏感に反応
→ 呼吸運動の促進
◎末梢性化学調節
場所:頸動脈小体(舌咽神経支配)
:大動脈小体(迷走神経支配)
血中O2分圧の低下に敏感に反応
→ 呼吸運動の促進
(3)随意調節
呼吸筋を働かせることによって呼吸運動を変化させることができる.
その他, 食べ物を飲み込むとき(嚥下反射中)は呼吸が一時止まる.
国家試験問題
(1)呼吸生理について誤っているのはどれか. (47-A65)
1. 強い不安があると呼吸は促進される
2. O2の運搬は酸化ヘモグロビンが行う
3. 嚥下反射が起こると呼吸が一時停止する
4. 血中CO2分圧が増加すると呼吸が抑制される
5. 呼吸中枢は吸息中枢と呼息中枢とに分かれている.
(2)呼吸調節のメカニズムで正しいのはどれか. (41-29)
1. 呼吸中枢は中脳にある
2. 中枢性化学受容野は橋にある
3. 中枢性化学受容野はO2センサーとして働く
4. 末梢神経化学受容器は頸動脈にある
5. 肺伸展受容器刺激は吸気促進に作用する
↓正解と解説はこちらから
解答_解説.pdf
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