呼吸器①気道の解剖

<ポイント>
心臓の位置を考えると覚えやすい.


●気道:鼻腔, 咽頭, 喉頭, 気管, 気管支からなる
 ◎上気道:鼻腔, 咽頭, 喉頭
 ◎下気道:気管, 気管支



●気管
位置:食道の前面
高位:第6〜7頚椎から第5胸椎で約10cm
分岐:第5胸椎程度で気管支となる
軟骨:馬蹄形の形をした気管軟骨に前および側面を覆われる.(後面には食道がある)
粘膜上皮:多列線毛上皮(微絨毛がある)
交感神経:気管の拡張(運動時の空気の入れ替えが盛んになる)
副交感神経:気管の収縮(安静時は呼吸が安定している)

●気管支
分岐角:気管の延長線と左右の気管支とがなす角.
 ◎右気管支:25°
 ◎左気管支:45°(心臓をよけるように)
太さ・長さ
 ◎右気管支:太い, 短い
 ◎左気管支:細い, 長い(心臓がある分)

●気管支の分岐
気管の分岐はおよそ23分岐行われる.
17分岐目程度で呼吸細気管支となり, 気管支ながら肺胞としての役割を持つ.

気管

気管支

葉気管支

区域気管支

細気管支

終末細気管支

呼吸細気管支(17分岐目)

肺胞管

肺胞(23分岐目)



●肺

 ◎右肺:3葉(上葉・中葉・下葉)
 ◎左肺:2葉(上葉・下葉)(心臓がある分)

肺尖部と肺底部
 ◎肺尖部:肺の上方. 鎖骨より上方にある
 ◎肺底部:肺の下方. 第6肋骨の高さ

大きさ
 ◎体積:右1200ml, 左1000ml(心臓がある分)
 ◎重量:右600g, 左500g(心臓がある分)
 ◎全表面積:約60平方メートル

肺門
 ◎肺動静脈, 気管支, 気管支動静脈, リンパ管, 神経が通る.
 ◎左肺門の方が右肺門より高位に位置する(心臓がある分)

胸膜
 ◎臓側胸膜:肺の表面を直接覆う
 ◎壁側胸膜:胸郭側にあり, 胸壁の内面を覆う




国家試験問題
(1)呼吸器について正しいのはどれか. 2つ選べ (49 - P58)
1. 上気道とは鼻腔から咽頭までのことをいう
2. 終末細気管支の次は肺胞である
3. 気管支は右より左のほうが太く短い
4. 輪状軟骨は弾性軟骨である
5. 左肺門は右より高位である

(2)呼吸器について正しいのはどれか. ( 48 - A59 )
1. 咽頭C7〜C8の高さにある
2. 輪状軟骨は弾性軟骨である
3. 成人の喉頭から気管支までの距離は20〜25cmである
4. 気管の延長戦に対する気管支の分岐度は右より左のほうが大きい
5. 終末細気管支は肺胞に開口する



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