今日は第一弾, 「神経の興奮と伝導」という題でまとめていきたいとおもいます.
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(1)伝導の三原則
1. 両側性伝導
軸索を刺激すると, 興奮は細胞体と軸索終末の両方へ伝わります.
2. 絶縁性伝導
ある1つの神経線維が興奮しても, 隣接する神経線維に興奮は伝わることはない.
3. 不減衰伝導
伝導中, 伝導速度や電気的興奮の強さは変化しません.
<ポイント>
国家試験で出題されて引っかかりやすい問題を簡単にまとめます.
1. 「軸索を刺激すると, 軸索終末の方へ刺激が伝わる.」というようなひっかけ問題が出題されますが, 誤りです.
2. 心筋は隣節する筋線維と繋がっているため, この辺りで骨格筋と混同し, 引っかかりやすいです.
3. 神経線維の長さが長いと刺激が衰えそうな気がしますが, 活動電位は衰えることなく伝導します.
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(2)神経伝導速度を規定する要因
1. 髄鞘の有無
伝導速度:髄鞘あり > 髄鞘なし
2. 線維の直径
伝導速度:直径 大 > 直径 小
3. 外部の電気抵抗
伝導速度:外部の抵抗 小 > 外部の抵抗 大
4. 線維の閾値
伝導速度:閾値 小 > 閾値 大
5. 皮膚の温度
伝導速度:皮膚温 大 > 皮膚温 小
<覚え方>
1. 髄鞘の有無
髄鞘があることによって跳躍伝導が起こるため, 髄鞘があるほうが速いです.
2. 線維の直径
直径が大きいということは, 持っている髄鞘も大きいため, 大きな跳躍ができると考える. そうすると, 直径が大きいほうが速いとイメージできます.
3. 外部の電気抵抗
外部の電気抵抗が大きいと, 電気が通りづらいイメージがありますよね. 道が狭いと車が走るのも遅くなります. そんなイメージをもつといいでしょう
4. 線維の閾値
閾値が低いということは, 興奮しやすくて敏感であるということです. 敏感なのに神経の伝導が遅いと...それでは鈍感で無人しますよね. 閾値が低いと敏感であるため, 神経の伝導も速いとイメージするといいでしょう.
5. 皮膚の温度
寒い時, 手がかじかんで動かしづらい経験はありますよね. スポーツでも, ウォーミングアップを行なって体を温めてから練習や試合に臨みます. それは体が温かいほうが動きやすいからです. よって, 皮膚温が高いと神経の伝導も速いといえます.
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いかがでしょうか. それでは今回の範囲の国家試験問題をみてみましょう.
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(1)1本の神経線維を電気刺激した場合の興奮伝導の説明で誤っているのはどれか (47-A85)
1. 興奮は両方向に伝わる
2. 興奮は太い線維ほど速く伝わる
3. 有髄線維では跳躍伝導が起こる
4. 興奮は隣接する別の線維に伝わる
5. 興奮の大きさは変わらずに伝わる
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(2)神経伝導で正しいのはどれか (44-22)
1. 体温の低いほうが速い
2. 髄鞘のないほうが速い
3. 線維直径の太いほうが速い
4. 線維が長いと活動電位は減衰する
5. 線維の途中を刺激すると刺激部位から片側性に伝導する
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問題なく解けると思います.
正解と解説はこちらから↓
解答_解説.pdf
以上で今回のまとめを終わります!
次回は神経の分類についてまとめていきたいと思います.
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