「筋繊維のタイプ」についてまとめてみたいと思います!
筋線維のタイプと聞くとどんなことをイメージしますか?
運動部で部活などしていた人たちは, 瞬間的な力を発揮する「パワー系」の筋肉と長時間活動できる「持久系」の筋肉がある...ということくらいはなんとなく聞いたことがあるのではないでしょうか?
そのイメージがあれば, 今回の範囲は楽勝だと思います!
もちろん, 馴染みのない人も, この「パワー系」と「持久力系」の2があるということを念頭に, 見ていただければと思います!
ではさっそく, この範囲の国家試験問題を見てみましょう!
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(1)筋におけるタイプⅡb線維と比べたタイプⅠ線維の特徴はどれか. 2つ選べ (49-A61)
1. 持久力のある筋肉において比率が高い
2. 周囲組織の毛細血管が密である
3. ヒラメ筋において比率が低い
4. ミオグロビン量が少ない
5. ミトコンドリアが少ない
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(2)骨格筋線維で正しいのはどれか (42-21)
1. タイプⅠ線維は酸化還元酵素活性が低い
2. タイプⅠ線維は疲労しやすい
3. タイプⅡa線維は単収縮速度が遅い
4. タイプⅡb線維は解糖活性が高い
5. タイプⅡb線維はミオグロビンが多い
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(3)タイプⅠとタイプⅡbとの骨格筋線維における比較で正しいのはどれか(45-A61)
1. タイプⅠは疲労しやすい
2. タイプⅠはミトコンドリアの量が少ない
3. タイプⅡbは抗重力筋に多い
4. タイプⅡbは単収縮の速度が遅い
5. タイプⅡbはミオグロビン量が少ない
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いかがでしょうか.
タイプⅠ...タイプⅡ...ミトコンドリア?ミオグロビン?
酸素活性?解糖活性?
この辺りがまとまれば怖いものなしです.
では, この3題の国家試験が解けるようにまとめていきます!
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(1)筋線維のタイプ
大きく2つに分けることができます
1. 白筋 (白色線維)
いわゆる「パワー系」で, "瞬発的"な運動を行います.
そのため, 短時間で大きなエネルギーを消費し, 大きな筋力を発揮するのです.
想像してみましょう.
大きな筋力を発揮している筋線維の太さは...なんとなく"太そう"な気がしませんか?
大きな筋力を発揮できるのなら, 収縮速度も"速い"気がしませんか?
そのイメージ通りで問題ないと思います.
そしてパワー系の運動は長時間できなそうですよね. なので持久的な運動は苦手です.
白筋が収縮するためには短時間でエネルギー(ATP)を産生することができる「解糖系」が使われます.
2. 赤筋 (赤色線維)
いわゆる「持久力系」で, 長時間の運動に適します. つまり白筋と逆の効果があるということです.
白筋と比較しながら想像してみましょう
白筋は収縮力が高く, 径も太く, 収縮速度も速い
赤筋はこの逆なのです!
白筋と比較すると...
赤筋は収縮力が低く, 径も細く, 収縮速度も遅い
では赤筋の強みは何か, それは持久力です.
収縮に必要なエネルギーを持続的に産生し続けることが可能な「有酸素系」でエネルギーを産生し続けます.
有"酸素"ですから, 酸素の供給が不可欠であり, 酸素を多く届けるためには血流が必要となることがわかると思います.
そのため, 毛細血管が発達し, 有酸素系を行う場所であるミトコンドリアの量が多くなります.
ツラツラと書いてみましたが...
この意味をしっかりと理解した上で, 以下のまとめを見てみましょう
<まとめ>
名称
赤筋:タイプⅠ線維, 遅筋線維
白筋:タイプⅡ線維, 速筋線維
収縮の特徴
赤筋:遅い収縮, 持久系に優位
白筋:速い収縮, 持久系に劣位
系の太さと張力
赤筋:太さは細く, 張力は小さい
白筋:太さは太く, 張力も大きい
ATPの産生
赤筋:酸化による有酸素活性
白筋:解糖による解糖活性
ミオグロビン量(赤筋が赤い理由のひとつ. 酸素系に関与=赤筋)
赤筋:多い
白筋:少ない
ミトコンドリア量(酸素系に関与=赤筋)
赤筋:多い
白筋:少ない
グリコーゲン(単糖=解糖系に関与=白筋)
赤筋:少ない
白筋:多い
適した運動
赤筋:有酸素運動, 長距離
白筋:無酸素運動, 短距離
いかがでしょうか.
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ちなみに, タイプⅡ線維は2つに分かれます.
タイプⅡaとタイプⅡbとに分かれ, タイプⅡaのほうが, 耐久性に優れています.
が!
タイプⅠと比較すれば, 耐久系の項目は全て劣ります.
国家試験自体もタイプⅡaとタイプⅡbを比較するような問題は現状ありませんので, タイプⅡaやタイプⅡbがでてきても, タイプⅡとして扱い, タイプⅠと比較することができれば問題ないと思います.
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では, 冒頭の問題をもう一度.
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(1)筋におけるタイプⅡb線維と比べたタイプⅠ線維の特徴はどれか. 2つ選べ (49-A61)
1. 持久力のある筋肉において比率が高い
2. 周囲組織の毛細血管が密である
3. ヒラメ筋において比率が低い
4. ミオグロビン量が少ない
5. ミトコンドリアが少ない
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(2)骨格筋線維で正しいのはどれか (42-21)
1. タイプⅠ線維は酸化還元酵素活性が低い
2. タイプⅠ線維は疲労しやすい
3. タイプⅡa線維は単収縮速度が遅い
4. タイプⅡb線維は解糖活性が高い
5. タイプⅡb線維はミオグロビンが多い
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(3)タイプⅠとタイプⅡbとの骨格筋線維における比較で正しいのはどれか(45-A61)
1. タイプⅠは疲労しやすい
2. タイプⅠはミトコンドリアの量が少ない
3. タイプⅡbは抗重力筋に多い
4. タイプⅡbは単収縮の速度が遅い
5. タイプⅡbはミオグロビン量が少ない
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いかがでしょうか.
正解と解説はこちらから↓
解答_解説.pdf
以上で今回の範囲のまとめを終わりたいと思います!!!
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