骨学の基礎(2) 長管骨の構造

本日のテーマは「長管骨の構造」についてです.
これは骨の基本的な構造です. この構造を覚えてしまえば短骨の特徴も紐付けして覚えることができますので, 苦手意識もあるかもしれませんが, 必ず復習して国家試験に臨みたいところです.

それではさっそく長管骨の構造についてみていきましょう.

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骨・軟骨についての記事一覧
・骨の形 http://www.ptstoranomaki.com/article/448184290.html

・長管骨の構造 http://www.ptstoranomaki.com/article/448220968.html

・長管骨の構造② 〜骨芽細胞と破骨細胞 & 血管〜 http://www.ptstoranomaki.com/article/448761774.html

・軟骨の種類 http://www.ptstoranomaki.com/article/448786370.html

・国家試験問題 -骨学の基礎- http://www.ptstoranomaki.com/article/448846564.html

・骨の連結 http://www.ptstoranomaki.com/article/448875952.html

・形状による関節のタイプ http://www.ptstoranomaki.com/article/449690755.html
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骨の構造に関する問題では, 次のような問題が国家試験で出題されています.

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(1)骨の構造で正しいのはどれか(48-A51)
 1. 皮質骨には骨梁がある
 2. 踵骨は海綿骨の部分が少ない
 3. 発育時の骨髄は赤色骨髄である
 4. 関節面は骨端軟骨で覆われている
 5. 骨は軟骨よりもプロテオグリカンを豊富に含む
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(2)骨について正しいのはどれか(49-A51)
 1. 骨芽細胞は骨吸収に関与している
 2. 緻密骨と海綿骨に分けられる
 3. 幼児期の骨髄は黄色骨髄である
 4. 関節面は滑膜で覆われている
 5. 短骨には髄腔がある
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どうでしょうか.
「皮質骨!?海綿骨!?緻密骨!?骨梁!?....!!!!」
こんなところでしょうか?w
わたしはそうでした. ですが, ポイントを抑えることができれば意外にもすんなりと覚えることができました!
わたしなりのポイントと覚え方を書き留めておきたいと思います.

ではさっそく, 順番に紐解いていきましょう.


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(1)長管骨の基本構造
(1)-1
長管骨は, その幹の部分を"骨幹部"といい, その両端にあたる"骨端部"とに分けられる.

(1)-2
骨は, "関節面をのぞいた"全ての面を骨膜で覆われています.
骨膜 → 読んで字のごとく, 骨を覆う"膜"のことです.
   → この膜にはいつも仲良しな"血管""神経"がセットになって多数分布しています.

(1)-3
骨膜に覆われない関節面は何で覆われているのか. それは関節軟骨である.
関節軟骨 → 関節面を覆う硝子(ガラス)軟骨である


(1)のまとめ
 1. 長管骨は"骨幹部"と"骨端部"に分けられる
 2. 骨は, 関節面を除き全ての面を"骨膜"に覆われる
 3. 骨膜に覆われない関節面は"関節軟骨"に覆われる



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(2)緻密骨と海綿骨
この二つを簡単にまとめると、
 ・緻密骨 → 骨の表在部を構成
        その名の通り緻密な骨質の部分
        骨幹部で厚く, 骨端部では薄い
        "皮質骨"ともいう
 ・海綿骨 → 骨の内部を構成
        骨質が網状をなしており, 骨梁を形成している
        骨幹部では少ないが, 骨端部ではほとんどを占める.
つまり, 長管骨の特徴
 骨幹部では緻密骨(皮質骨)が多く, 骨端部では海綿骨が多い.

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では, 短骨ではどうなるの?
<一言メモ>
短骨には長管骨と違って骨幹部がないですよね。ということは関節面を持つ骨端部のみがあると考える!!
→ 骨端部には海綿骨の部分が多い!
→ 短骨には海綿骨の部分が多い!と紐付けすることができます!!


(2)のまとめ
 1. 長管骨の骨幹部には緻密骨が多い
 2. 長管骨の骨端部には海綿骨が多い
 →短骨には海綿骨が多い
 3. 緻密骨は皮質骨ともいう
 4. 海綿骨は網目状の骨梁を形成している



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(3)赤色骨髄と黄色骨髄
長管骨の骨幹部には骨質に囲まれた"髄腔"があり, それに続く海綿質の内部は"骨髄"で満たされている.
 骨髄
  赤色骨髄 → 造血機能を持つ
         幼児期の骨髄はすべて赤色骨髄
        椎骨, 胸骨, 肋骨, 腸骨などは高齢でも赤色骨髄を残す
  黄色骨髄 → 脂肪化し造血機能を持っていない
         成長の四肢の長管骨はほとんどが黄色骨髄に置き換わる
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いかがでしょうか?
(1)〜(3)まで, 理解することができましたでしょうか.
わたしの今回のおすすすめは、
"短骨は, 関節面をなす骨端部のみがあると考える!!"
これです.
こう考えると短骨に海綿骨が多いのは納得することができました.

では冒頭の国家試験の問題をもう一度見てみましょう.

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(1)骨の構造で正しいのはどれか(48-A51)
 1. 皮質骨には骨梁がある
 2. 踵骨は海綿骨の部分が少ない
 3. 発育時の骨髄は赤色骨髄である
 4. 関節面は骨端軟骨で覆われている
 5. 骨は軟骨よりもプロテオグリカンを豊富に含む
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(2)骨について正しいのはどれか(49-A51)
 1. 骨芽細胞は骨吸収に関与している
 2. 緻密骨と海綿骨に分けられる
 3. 幼児期の骨髄は黄色骨髄である
 4. 関節面は滑膜で覆われている
 5. 短骨には髄腔がある
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どうでしょうか!?
解答は (1). 3
    (2). 2
となります!

解説は以下からどうぞ!
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解説.pdf







以上, 今日は長管骨の構造をまとめてみました!!
次回は, 49-A51に出てきた骨芽細胞や破骨細胞, そのほかハバース管などについてまとめていきたいと思います!


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